ロケット打ち上げタイトル
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 もう夜も更けてきたというのにスペースポートインのロビーは、打ち上げを待つ遺族の興奮と熱気に包まれていました。打ち上げはいよいよ2時間後。昼間のレセプションに参加したことで、遺族たちの気持ちはいっそう通じ合えたのか、皆お互いの家族の事やこれからの打ち上げについて語り合う姿が見られました。

 出発準備に少し手間取ったせいで、遺族を乗せたバスが発射台から8km離れた見学地点に到着したのは22時30分ごろ。打ち上げは、23時11分から19分までの8分間、大気の状態が安定した時を見計らって行われる事になっていて、もしその8分の間に安定しなければ翌日に延期される予定です。
 見学地点の様子はというと、見渡す限りの砂漠の真っ只中にぽつんとテントが設営されているといった感じで、立ち会いの遺族や友人たちはそのテントのまわりに、めいめいの場所を選んで陣取り、ロケットの打ち上げられる方向を見つめています。本部テントにはテレビモニターが置かれて去年の宇宙葬のビデオが流され、空には月がこうこうと輝き、風もおだやかで打ち上げには絶好の夜です。


 遺族たちは夜風の冷たさも気にせずに、打ち上げ地点を指差したりカメラを覗き込んだりと落ち着かない様子で打ち上げの瞬間を待っています。突然音楽が止み、あたりが静寂に包まれ、皆の緊張が高まります。やがてその静寂を破るように、スピーカーから管制塔オペレーターの落ち着いたカウントダウンの声が聞こえてきました。
「5、4、3、2、1、、、、、」
地平線がぱっと明るく輝き、大きな光の玉があたりを昼間のように照らしながらゆっくりと空に昇ってゆきます。数秒遅れで轟音と振動が見学地点までやってきます。
 空気がふるえる中、光の玉はだんだんと速度を増しながら空高く昇ってゆき、ゆっく りと小さな点になりやがて見えなくなりました。


 固唾を飲んで見守っていた遺族の口からため息がもれ、やがて大きな拍手とともに歓声が上がりました。まわりを見渡すと、抱き合って打ち上げ成功の喜びを分かち合っている方、静かに空を見上げる方、感極まった様子で涙を拭う方など、それぞれがこの感動を胸に刻んでいる姿が見られました。そんな中、しきりに目頭をぬぐっていた笠松さんのお母様は、「ここまで来た甲斐がありました。本当にありがとう。」と感極まった表情であふれ出る思いを涙声で話してくださいました。

 こうして第3回目の宇宙葬は大成功に終わりました。打ち上げ後の遺族達の顔には ひとつの目標を成し遂げた達成感があり、その表情を見ているとこの感動は故人の想 い出と共にみなさんの心にいつまでも生き続ける、そんな思いがしました。遺骨を載 せたカプセルは宇宙からそんなみなさんを優しく見守りながら、1000年の間地球を廻 り続けます。





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